2月19日(木)、高校2年生の希望者を対象に、経済産業省 近畿経済産業局様と株式会社カネカ様をお招きして、バイオものづくりについての統合科学講演会を実施しました。
・講義内容
バイオものづくりとは、細胞の機能を人為的に改変しその細胞に物質を生産させる技術です。例えば、植物由来の原料からクモの糸と同じタンパク質を生産し頑丈でしなやかな衣類を作ったり、石油資源を使わない燃料を生産したりと様々な分野で利用されています。バイオものづくりは付加価値の高い製品を生産できたり、またCO2を原料にしてものづくりをすることでCO2吸収量を増加させる等、経済成長や様々な社会問題の解決に貢献することができると期待されています。そしてバイオ産業は様々な国で重要分野として巨額の投資が行われており、市場規模も大幅に拡大されると見込まれています。
そんなバイオものづくりで、株式会社カネカ様は生分解性バイオポリマー Green Planetを開発しました。従来のプラスチックは、限りある石油から作られていたり、使用後は焼却されてCO2を排出してしまったり、ポイ捨てされてしまうと環境に残り続けたりと、沢山の問題をかかえていました。ですが、Green Planetは植物由来の原料から微生物の発酵により作られているため生産することが可能で、またその原料は植物が大気中の二酸化炭素を吸収したバイオマスであるため、たとえ燃やしても吸収したCO2が大気中に戻るだけですので、大気中のCO2濃度を上げなかったり、もしポイ捨てされてしまっても自然界に存在する微生物が分解してくれるため、環境にも残りません。このように、未来を変える力を持つGreen Planetをカネカ様は大量生産できるよう、日々の研究や設備の拡張をされています。昨年から2万トンの生産ができるようになっておりますが、将来的には10万~20万トンを目標にされているそうです。
生徒からの質問にもたくさん答えていただきました。「普通のストローとGreen Planetのストローだと、どのくらい値段が違うのか」といった質問には、「現状、普通のストローは1本あたり0.5円ですが、Green Planetだと1円します。ただ、かかっているコストのうち、生産にかかる時間がかなり大きいので、今後より早く大量に生産できるよう研究開発していくことで、コストも抑えられるようになります」と答えていただき、また「将来的には全てのプラスチックが生分解性バイオポリマーになるのか」といった質問には「例えば、ノートPCの外側に使われているような、頑丈でないといけない部品等には生分解性バイオポリマーは適していません。そういったものは耐久消費財と呼ばれ、最終的には集めて処分されるものですので、原料がバイオマスである素材が適しています。農業用途で使われるものや、どうしても環境への流出が避けられないものを、生分解性バイオポリマーに置き換えるのがいいと思われます」と答えていただきました。全ての質問に、真剣で丁寧に答えていただき、生徒たちもとても沢山のことを学ぶことができました。
講演会が終わった後も、生徒たちは質問をたくさんし、みなさん快く答えてくださいました。
経済産業省 近畿経済産業局様、株式会社カネカ様、この度はお越しいただき、本当にありがとうございました。