4月28日(火)、高校2年生を対象に、SSH活動の一環として統合科学講演会を実施しました。静岡大学教育学部の村越真教授とオンラインで繋がり、災害に関することや防災についての考え方を教えていただきました。災害についてしっかりと考えることで頭の片隅に残り、日頃からその対策を考えられると思います。
村越教授、この度は本当にありがとうございました。
15年1ヶ月17日、また31年3ヶ月13日。これらは大震災から経った月日です。災害のことを覚えていようとしても、人は自然と忘れてしまうものですので、正しく知っていることが大切です。
災害とひとことに言っても、色々な種類があります。火山の噴火、地震に伴う津波、風水害にあたる洪水、あるいは土石流など様々です。日本は特に災害が多く、またその種類も沢山あり、自然災害のデパートと呼ばれています。世界中のあらゆる活火山のうち7%は日本に集中しており、地震は2011年から2020年までの1443回のうち259回、つまり17.9%が日本で発生しています。また、日本では台風と呼ばれる熱帯低気圧はその進路の17.5%が日本に向いており、先進国でこんなにも熱帯低気圧に見舞われる国は他にありません。
防災行動を取ろうとするとき、私たちは災害のリスクについて考えることになります。地震などの災害によって家が崩れたりケガをしたり、もしかすると死ぬかもしれない、そういった実際に被災した際のリスクについてをまず予測します。
災害にはもうひとつのリスク、不確実性も存在するのです。自然災害はたとえ警報が発令されていたとしても、被災することから逃げることより、避難したときのコストについてを考えてしまうかもしれません。それは、被災することが不確実だからです。例えば、教室で授業をしているとき地震の警報がなったとします。外は雨が降っていて、避難するとしたら傘をさすことはできないでしょうから、ずぶ濡れになってしまいます。それなら体育館に逃げ込むのはどうかと考えたとき、体育館には屋根がありますので地震による落下物の可能性があり、安全とは言えないでしょう。他にも、観光客などを募った催し物があるとして、自然災害が訪れるからといって中止にするかどうかも難しいところです。開催のための準備には大きなコストがかかっているはずですし、簡単に中止するというわけにもいかないかもしれません。来るかどうかもわからない不確実な自然災害に対してコストを払えるものかと考えたとき、適切な防災行動を取れないことがあります。
被災する確率が低いからこそ起こった悲しい出来事があります。東日本大震災が発生した際の釜石市大槌湾での死者や行方不明者は、ハザードマップで津波浸水予想範囲と示された範囲の『外側』に集中しています。浸水予測を遙かに超えて津波が浸水したのです。
防災弱者という言葉もあります。災害が起こった際の影響はその人によって違います。お年寄りや体の弱い人、幼い子どもや外国人などは特に影響を受けやすいです。様々な事情によって、適切な防災行動を取れないこともあります。
だれかと話し合いながら、災害によって発生する被害やリスクについて考えることは大切です。日頃から防災について意識し、考えるようにしましょう。