3月19日(木)、中学校卒業証書授与式を実施しました。中学生の生徒たちは体育館後方から入場し、少し照れくさそうに、けれども堂々と歩いていました。全員が席に着き、国歌・校歌斉唱後卒業証書授与が始まりました。名前を呼ばれた生徒が順番に起立し代表の生徒が証書を受け取りました。厳かな雰囲気のまま、静かに、背筋を伸ばし立つ姿は、青翔高校の一員となる準備がもう整っていると体現してくれていました。
校長先生からの式辞が終わり閉式したあと、中学卒業生たちは退場していきました。前途に思いを巡らせるような真剣な表情で歩く生徒や、喜びに満ちた楽しそうな表情を浮かべる生徒、それぞれの思いを胸にいよいよ来年度からは高校生活の始まりです。今までその背中を追いかけてきた先輩方のように、立派に成長してくれることを期待しています。
皆さんにとってこの3年間はどのような時間だったでしょうか。楽しかったことばかりではなかったはずです。友人関係や勉強、体調や家族のことなど、悩んだ人もいるでしょう。何かのせいにしたくなったこともあったかもしれません。そんな皆さんに私から、はなむけとして夏目漱石の小説『草枕』の冒頭の一節を紹介します。
「智に働けば角が立つ。状に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」
世の中はままならないものであり、逃げ出したくなるような住みにくさに満ちている。漱石はそう説きました。しかし、漱石はこう続けています。
「住みにくさが高じると、安いところへ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画ができる」
今の状況からどこへ逃げても、不平不満がなくなる場所はない。そのことに気付き、覚悟を決めた時、初めてそこから自分自身の表現や、新しい生き方が始まるのです。
皆さんに伝えたいのは、『自分の人生を、自分自身で引き受ける』という勇気です。自分の足で歩み始めたとき、人は初めて、これからの予測困難な社会を生き抜く真の強さを手にします。
高校生活では、さらに多くの不条理や思い通りにいかないことに直面するでしょう。そんな時こそ、自分の『感じる力』と『志』だけは守り抜いてください。『それでも自分はどう生きるのか』、その問いに向き合い、自分を客観的に見つめ直せる人であってください。